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2021年1月7日
「精神科病院の医療従事者による入院患者への暴力行為に関する声明」
去る12月17日、京都府立洛南病院にて看護師による入院患者への暴力行為と虚偽報告があったとの報道がありました。
公立病院として精神科救急を始め、依存症、認知症等幅広く精神科医療を担うなど、京都府における精神科医療の中心的な存在である洛南病院にてこのような行為がおこったことについて、私たちは、精神障害のある方々の社会的復権と福祉に寄与する職能団体として、事態を重く受け止めるとともに大変残念な思いを抱いております。
実際に暴力を受けた方やそのご家族の心情を思えば、怒りや失望などいかばかりかと察するに余りあります。また現在入院中の方々も、同様のことが起こらないか不安を抱いておられるのではないかと思います。
報道では、「看護師は主治医に‘患者から殴られそうになった’と虚偽の報告を行い、患者は個室に鍵をかける閉鎖処遇を1日間続けられた。(京都新聞12月17日デジタル版)」とありました。これについても判断の経緯や妥当性がどうだったのでしょうか。また、こうした処遇を受ける際の患者の権利保障の仕組みが整っていない実態も見過ごせません。
今回の件以外にも全国的に見渡せば、精神科医療における暴力等を含む人権侵害は毎年続いています。職員個人が起こしたことの責任が問われることは当然ですが、こうしたことが起こりえる精神科医療の構造的な課題を解決することが重要だと考えます。
洛南病院及び京都府において事実経過を精査し、原因の真摯な究明と情報の公開及び再発防止に取り組まれることを望みます。
本協会は、今回の問題を一病院の問題として考えることなく、精神科医療を、誰もが安心して利用することができるように、実効性のある権利擁護システムの整備等をめざし、精神科医療を利用している方々、そのご家族及び関係団体等と協力し、粘り強く取り組んでいきます。
2021年1月7日
京都精神保健福祉士協会
会長 西村 睦美
PDF →精神科病院の医療従事者による入院患者への暴力行為に関する声明